名探偵の仕事は人を幸せにすること 「そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート」(講談社文庫版)
私は大学生の頃、書店員のバイトをしていたのですが、
その頃、児童書コーナーで常に平積みされている
人気小説がありました。
はやみねかおるさんの
「名探偵夢水清志郎事件ノート」
というシリーズです。
「名探偵」という単語はミステリー、特に「本格」ものが
好きな私の興味を惹くには充分だったのですが、
当時の私は所詮子供向けだろうと思ってしまい
「夢水清志郎」シリーズを読むことはありませんでした。
2006年、その「夢水清志郎」シリーズの第1作
「そして五人がいなくなる」が講談社文庫に収録されることに。
帯には宮部みゆきさんの推薦文「はやみねかおるさんは
子供たちだけのものではありません。」の一文が。
今さらながら、「夢水清志郎」は凄いシリーズなのではと
思った私は「そして五人がいなくなる」を購入することに。
で、一気に読了しました。
ごめんなさい。過去の私は愚かでした。
不明を恥じます……。
ミステリーへの深い愛情に満ちたとても素晴らしい
本格ミステリーでした。
本作のトリックや犯人自体は単純ではミステリーを
読み慣れた人ならすぐに気づいてしまうとは思いますが、
全編に子供たちにミステリーを好きになってもらいたいという
はやみねさんの気持ちが溢れています。
子供たちにミステリーの楽しさを的確に伝えようとする
意志が、大人にも初めてミステリーを読んだ時の
ワクワク感を思い起こさせます。
かつて「夢水清志郎」を読んでミステリーとの素晴らしい
出会いを体験できた子供はとても幸せです。
そして、講談社文庫で「夢水清志郎」と出会えた大人もまた、
ミステリーを初めて読んだ時の素敵な体験が
再び蘇るのですから、とても幸せだと思います。
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