2006年10月 3日 (火)

私の中のよからぬものが…… 『邪魅の雫』

京極夏彦の人気シリーズ久々の最新作『邪魅の雫』を読み終わりました。

邪魅の雫 邪魅の雫

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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本作も見た目も内容もどちらの意味でも厚みのある内容で
期待通り面白く、800頁以上の大長編ながら一気読みしてしまいました。

ストーリーをおおまかに解説すると以下のような感じになります。

江戸川、大磯、平塚と続発する不可解な毒殺事件が続発。
凶器は青酸カリのようだが、「凶器の線ではたどるな」という
上層部の圧力や公安の暗躍もあり……。
一方、榎木津の縁談が次々に破談になるという事件も発生。
しかも縁談相手は殺害されたり、行方不明になっているようで……。

毒殺事件を青木や『鉄鼠の檻』に登場の山下警部補が、
榎木津の事件を彼の下僕、益田と関口が追っていく。

事件が混迷する中、益田は軽薄を装った仮面の裏に隠した苦悩を滲ませ、
青木は警官としての意地を見せ、筋を通す。

というわけで、今回は益田と青木が大活躍

はっきり言って今回この二人はかなりカッコよかったです。
特に、青木は公安の郷嶋相手に一歩も引かない態度で応じたりと
彼の株が急上昇する場面が多いこと、多いこと。
確実にファンが増えそうです。

山下警部補も『鉄鼠』の時とは人が変り、かなりいい味が出ていたので、
私的に株が上昇。

今回は警察関係の再登場キャラクターが非常に多く、
警視庁と所轄の軋轢など警察小説のような場面もあったため、
警察が一番活き活きと描かれていたように思えました。

とは言っても、最後に美味しいところを持っていくのは、
やはり京極堂と榎木津
ですが。w
榎木津なんかシリーズ中一番出番が少ない事件であるにも関わらず、
もっとも重要なキーパーソンというかなり特殊な立場。
最後は本作を「恋愛小説」(間接的ネタバレゆえ、読了済みの方のみ反転)
として着地させる離れ技まで演じてしまっています。

いつもとは多少毛色が違う感じですが、これはこれで面白かったです。

ただし、京極堂のうんちくは今回かなり控え目な上、
話題も「文芸評論」論など、笠井潔や大塚英志な分野の話が中心。

妖怪や宗教関連のうんちくはほとんどなく、
テーマ妖怪である「邪魅」の解説もありません
でした。
この方面の話を楽しみにしていた人は物足りなく感じそうですね。

ところで、憑物落としの場面で、なぜか私の脳内では

ジョジョビジョバージョビジョバー

と某CM曲が流れてました。

よからぬものが流れ落とされていく。
そんなイメージ、なんですかね。w

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↓益田、山下初登場 『鉄鼠の檻』

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