2006年10月30日 (月)

悪徳弁護士、改心? 『弁護士 灰島秀樹』

『踊るレジェンド』の第4弾、『弁護士 灰島秀樹』を見ました。

本作は『容疑者 室井慎次』の時に敵役で登場した弁護士灰島が主人公。

正直、灰島なんて嫌な奴が主役で面白いの?
第一、灰島初登場の『容疑者 室井慎次』イマイチだったしなあ、
と見る前は思っていて、あまり期待はしていませんでした。

でも、見てみたら良い意味で予想を裏切ってくれました

これ、面白い!

裏テクを駆使した仁義なき訴訟バトルの面白さで楽しませる序盤、
シングルマザーとの交流と生い立ちが語られる回想シーンによって
灰島にも人間味があることがわかり親近感が増す中盤、
優れた知力によって事件を八方丸くおさめ、困った人を助けつつ
大金もちゃっかりせしめるクライマックスと、メリハリが利いており
終始飽きさせないストーリー展開でした。

『容疑者~』では嫌な奴の灰島を主役らしくするために好感を持たれる
キャラクターに変えてしまうだろうとは予想していましたが、
灰島が変化していくことによって話が思わぬ方向に転がっていき
どんどん展開の予測が不可能になっていく流れがとても上手い。

個人的に、ストーリーそのものの完成度では『レジェンド』中1位

『容疑者~』の時はちょっとキレが無く思えた脚本の君塚良一さんですが、
本作では本来の実力が発揮されたように思います。

『容疑者~』では嘘くさくしか感じられなかった弁護士事務所の美術が
本作では灰島の内面の孤独を象徴的に表現する舞台装置として
効果的に使われているのも良かった
ですね。

ただ、『踊る』本編とのリンクネタやクスッと笑えるギャグなど
シリーズのお約束はしっかりと盛り込まれていたものの、
本編キャラクターがほとんど出てこないのちょっとなあ……とも思いました。
湾岸署の「わ」の字もないのは寂しいですね。

ところで、冒頭で詐欺被害にあった老人の一人として、
映画監督の鈴木清順さんが出ていたのにちょっと驚きました。
これって、清順監督の大ファンである君塚さんのリクエスト?

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↓当ブログ『踊るレジェンド』関連記事
「踊る大捜査線」の良さが感じられない作品 「容疑者 室井慎次」
寺島アニキ大活躍! 『逃亡者 木島丈一郎』

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2006年10月21日 (土)

寺島アニキ大活躍! 『逃亡者 木島丈一郎』

昨日録画しておいた『逃亡者 木島丈一郎』を観ました。

本作は『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ企画である
『交渉人 真下正義』で初登場した寺島進演じる木島刑事を
主人公にしたいわばスピンオフのスピンオフ的作品。

前回放送時に見逃してしまっていたので、今回の再放映は楽しみでした。

さて、『逃亡者~』はひょんなことから本来身内であるはずの
警察から追われる身になった木島が殺人を目撃した少年と共に
逃避行を繰り広げるというお話なのですが、
実際、見てみたら逃亡者もの特有の緊迫感は一切無し

事件の真犯人がかなり早い段階でわかる上に、
真下などのしっかりしたバックアップもついており、
中盤以降は真相判明が時間の問題という状態なので
非常に安心して見ていられます。

心臓の弱い人には親切な作りですが、サスペンスとして
面白いかと言われると別に面白くはない
です。

ジャン・グリシャムの『依頼人』みたいなものを期待すると
かなりがっかりするのでしょうね。

ただ、べらんめえ口調で一見粗野ながら実は心優しい木島刑事は
寺島進という俳優の魅力が際立つとても良いキャラクター

少年との触れ合いシーンで見せる寺島進の表情の一つ一つが
渋く、そして可愛らしくて魅力的です。

彼の代名詞とも言えるセリフ「バカヤロォ」も連発だったりと
ほとんど寺島進のPVみたいなドラマなので寺島アニキの
ファンならかなり楽しめる
かと思います。

ストーリー自体にツッコミつつも、私も寺島進フリークなので
実は充分楽しんで見れました。w

爆弾処理犯の班長などの脇キャラがかなりいい味出してたり、
エンディングで綺麗に『交渉人~』に繋がっていたりする点も
良かったので、割に好きな作品ではあります。

『交渉人~』は一度見たことがあるので、10/14の放映はスルーしましたが
『逃亡者~』を見て再度見直したくなりました。

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↓当ブログ『踊るレジェンド』関連記事
「踊る大捜査線」の良さが感じられない作品 「容疑者 室井慎次」

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2006年9月10日 (日)

四国のうどんは世界一ィィィィィ! 「UDON」

香川県名物のさぬきうどんをテーマにした本広克行監督の最新作、
「UDON」を観てきました。

Udon_2

物語は故郷を捨て、コメディアンを目指して渡米したものの
夢破れて戻ってきたユースケ・サンタマリア演じる製麺所の息子が
トータス松本演じる親友や小西真奈美演じるタウン誌編集者らと
共に麺通団を結成しうどんブームを仕掛ける前半と、
ユースケの父親が急死したため、ユースケとその仲間たちが
父の味を継承しようと努力する後半の二部構成。

前半はユースケたち麺通団の成功と挫折ををコミカルかつ
爽やかに描いた青春ドラマ、後半は息子と姉・父の和解を
描いたヒューマンドラマという二つの異なる魅力を持つ作品です。

また、実在の名店が次々に登場し、本場ならではの食べ方、
楽しみ方が紹介されていくあたりはグルメ情報番組、
麺通団がグルメ記事の常識を打ち破る記事を発案するくだりや、
父の四十九日までに父の味を継承したうどん作りを目指すくだりは
「プロジェクトX」や「ガチンコ」、「貧乏脱出大作戦」などの
ドキュメンタリーやバラエティーを見ているような面白さ

CGアニメやライブシーンもあったりして、映画の中にTV番組の
プログラムが全て詰め込まれているようでもありました。

テレビ出身の本広監督だけあって、テレビ番組制作のノウハウが
上手く生かされている
あたりは流石です。

Udon02

実話を基にしたエピソードをところどころ織り交ぜることや、
ユースケとトータス松本の演じるキャラクターの設定が
それぞれのパブリックイメージをそのまま反映していることで、
フィクションとしてかなり誇張された物語になっていながら、
ノンフィクション的なリアリティーを与えている点も巧み。

ありえないドジッ娘ぶりが可愛らしいヒロインの小西真奈美や、
テンポの良い掛け合いで笑わせてくれる片桐仁と要潤コンビなど、
登場人物も愛すべき人達揃いで好感が持てます

まあ、正直言って、色々な要素を詰め込みすぎたせいか
この映画で一番伝えたいことが何かがあまりはっきりしていない点や、
人物の心情変化ナレーションでの説明に頼りすぎている部分、
麺を打つ時にユースケだけ帽子を被らないのは何故?
それは衛生的にまずくないか?
などと、ツッコミをいれたくなる部分も多々ありますが、
見終わった後、前向きな気持ちになれる内容です。


私はかなり楽しめました

Udon04

ところで、映画を見た日の私の夕食ですが、
「やっぱ、うどんでしょ!」
って、ことでうどんを食べてきました。

行ってきたのは、大阪中央区なんばウォーク内にある
四国うどんナンバウォーク東店」。
どうせ食べるなら四国にこだわろう、ってわけで、
その名もずばりな所に入ってみた次第。

コシのある麺の美味さと気さくな人柄の店の人が、
印象的な良いお店でしたよ。

しばらくはうどんにハマッてしまうかも。w

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2006年7月27日 (木)

「踊る大捜査線」の良さが感じられない作品 「容疑者 室井慎次」

「踊る大捜査線」のスピンオフ企画第2弾、
「容疑者 室井慎次」を見ました。

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室井慎次は「踊る大捜査線」の中でも特に好きな
登場人物なので、期待していたのですが、
残念ながら私は本作を楽しむことができませんでした

本作が骨太な社会派サスペンスという新境地に挑戦した
意欲作であることは端々から感じられたのですが、
法廷闘争の緊張感や、組織間の対立が生む人間ドラマを、
作り手が上手く表現しきれていないという印象を受けました。

まず、シリアスさを表現するために「踊る大捜査線」特有の
テンポの良い演出やセンスの良い笑いを控えめにした割に、
警察幹部の会議が暗闇の中で行われる演出や、
八嶋智人演じる悪徳弁護士の誇張されたキャラクターなど、
作品のトーンを決定付ける肝心な部分で
従来の劇場版を踏襲した漫画的な
見せ方をした点が失敗
であったように思います。

誇張した演出はエンターテインメント色の強い
従来の作風であれば活きるものの、重厚な人間ドラマを
前面に押し出そうとした本作ではむしろ、
逆効果であったと言えるでしょう。

特に冒頭の刑事が集団で容疑者を取り囲む取調べシーンや、
建築物の内装が一様に奇妙なデザインである点などは
本作が作り物の世界であることを殊更に
強調しすぎているように感じました。

また、本作は登場人物の会話によって物語が進む構造で
あるにもかかわらず、会話シーンの見せ方が、
ただ役者の顔を映し続けるだけの退屈な演出になっています。

そのため、室井が大学時代の悲恋を語るシーンなどを
あまり活かしきていません。

悪徳弁護士VS.正義派弁護士という図式でありながら、
最後の逆転劇が悪徳弁護士がとってつけたような
失言をして自滅するという展開
であることも
納得がいきませんでした。

庶民派弁護士自身の努力と機転によってもたらされる
勝利ではないため、これまでのストレスを一気に発散させ
爽快さを感じさせるクライマックスとして成立していません。

脚本及び監督の君塚良一はスリルや笑いを散りばめた
エンターテインメント性で見る者を楽しませつつ、
最後には「組織論」や「若年層の犯罪」という深いテーマに
導くことが上手な作家だと思っているのですが、
本作ではテーマが前面に出すぎており、
精彩を欠いた仕上がりになっていると感じます。

柳葉敏郎や筧利夫、柄本明など俳優陣の演技は
素晴らしいだけに非常に残念でした。

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