2007年1月21日 (日)

大河ノベル開始!! 『刀語 第一話 絶刀・鉋』

西尾維新の最新作『刀語 第一話 絶刀・鉋』を購入。

刀語 第一話 絶刀・鉋 刀語 第一話 絶刀・鉋

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

『刀語』とは今年1年、月1冊ずつ刊行され、全12巻で完結する物語
本書はその記念すべき第一話目となります。

しかも、著者初の時代劇風ノベルとあっては、西尾ファンとして
読み逃すわけにはいきません^^

で、早速読んでみました。

この手の連続刊行ものって、1冊あたりのページ数は少なめなのが
常なので、本書もサクッと読了。

ただ、本は薄くてもキャラと内容はしっかり濃いのが西尾節

西尾維新ならではの葉遊びの妙と、アクション描写の巧みさが
申し分なく発揮されており、本書も楽しめる仕上がり

体力バカという著者の作品としては極めて珍しいタイプの
主人公「鑢七花」も好感が持てる奴で気に入りました。

ヒロインの「とがめ」も『化物語』のひたぎに次ぐ「蕩れ」キャラとして
高いポテンシャルを秘めた感じで、今後のキャラ立ちが楽しみ。

ただ、今回の敵役、「真庭蝙蝠」が外道キャラな割りに、
イマイチ外道ぶりを発揮できずに散ってしまったのは惜しい限り。
この辺、もうちょっとページ数があれば、キャラを更に掘り下げられて
よかったかなと思いますね。

それにしても、刀を使わない剣術という主人公の流派にはびっくり。
時代活劇小説、漫画数あれど、これ程奇抜な設定もないですね。

今後、西尾氏がいかに『るろうに剣心』や『無限の住人』も真っ青の
トンデモ剣客らを登場させ、七花とどのようなバトルを
繰り広げさせていくのか、非常に楽しみです。

ところで、講談社BOX自体に関してですが、ボリュームに対して
やっぱり価格が高すぎるように感じますね。
少なくとも1冊1000円前後の価格帯は12ヶ月連続刊行企画を
やるには不向きかと。
途中からでも既刊分を買い集めることが出来、手に取りやすい文庫で
やるのが一番妥当な企画でしょう。

装丁にかかるコストの割りには、豪華というよりはチープな
印象の方が強いし、角川スニーカー文庫や電撃文庫と比べると、
格段に高い上にイラストの掲載数も少ない。

西尾維新のメイン読者層たる中・高校生にコストに見合った
満足感を提供できているとはとてもじゃないが思えません。

12冊刊行を終える前に講談社BOX自体が頓挫してしまわないか、
それが今のところ、『刀語』最大の不安要素ですね。

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西尾氏ならではのノベライズ
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西尾維新とCLAMPの相性は抜群!
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■化物語
「蕩れ~」は流行るのか? 『化物語(上)』
二冊で終わらせるには惜しすぎる 『化物語(下)』

■戯言シリーズ・人間シリーズ
ファンサービスも悪くない 『零崎軋識の人間ノック』

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2007年1月 5日 (金)

二冊で終わらせるには惜しすぎる 『化物語(下)』

西尾維新氏の『化物語(下)』を読みました。

化物語(下) 化物語(下)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

上巻は言葉遊びや比喩を駆使したユニークな文章表現、
マニアックな漫画やアニメのパロディーネタの多用による小ネタ、
ぶっ飛んだキャラクターの魅力が炸裂した西尾維新らしい面白さに
溢れた連作短編集でしたが、下巻でもその魅力はいっさい衰えず。

今回も本筋以上に主人公と個性豊かなヒロイン陣との
やり取りに爆笑
させていただきました。

特に下巻は神原駿河の魅力というか暴走ぶりが強烈
本来のメインヒロインである戦場ヶ原ひたぎや
裏ヒロイン羽川翼、新キャラ千石撫子を完全に食う活躍。
彼女とのマニアネタ・下ネタ全開の際限のない漫才には
終始笑いっぱなし。

本筋がいっさい進まなくとも、別にいいかと思わせるほど
バカ会話が読んでいて楽しいですね。

まあ、漫才やキャラ萌え要素は本筋には直接関係ないので、
純粋に本筋を楽しみたい人にとっては余計な要素と
とられかねない危険性もあるわけですが・・・・・・。

それにしても『ビックリマン』に『きんぎょ注意報』と
どれだけネタの幅を広げるつもりなのでしょうか、
西尾維新は?

私は世代なんで、かなり笑ってしまうのですが、
今、高校生とか中学生の読者はついていけるのか
ちょっと不安です^^

もちろん、ギャグだけでなく、主人公である暦が
ひたぎの恋の進展や、化物がらみの事件の解決を通して
自立し成長していく姿も丁寧に描かれています。

暦とひたぎの初デートのシーンなど、ギャグからシリアスへの
切り替えが鮮やか
な名場面も多くて読み応えがありました。

ラストの落ちも爽やかで後味良く、青春小説としてもかなり
楽しめる小説でした。

正直、二冊で終わらせるには惜しいですね。

と思っていたら、前日譚である暦と忍の話が執筆予定とのこと。
正直、このエピソードも下巻の中に収めてほしかったとは思いますが
書かれないよりは遥かに良いわけで、かなり楽しみではありますね。

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2006年11月12日 (日)

ファンサービスも悪くない 『零崎軋識の人間ノック』

今日も昨日に引き続き西尾維新作品の感想です。
本日、読み終えたのは『零崎軋識の人間ノック』

零崎軋識の人間ノック 零崎軋識の人間ノック

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

西尾氏の代表作「戯言シリーズ」に登場する殺人鬼の集団
零崎一賊をメインに据えた番外編「人間シリーズ」の二作目で、
釘バット型の武器を使う零崎軋識が主役のエピソードを3話収録した
連作短編集となっています。

前作『零崎双識の人間試験』では殺し名同士の血で血を洗う戦いを
描いたシリアス色の強い作品でしたが、本書は前作とは打って変わり
人気キャラクター同士がドリームマッチを繰り広げるという
ファンサービス色の強い作品
に。

スナイパーに近接武器で立ち向かう一発ネタのような話や、
哀川潤がただひたすら派茶滅茶に暴れまわる話など、
全体的にコミカル色が強くなっています。

前作主人公の零崎双識の変態お兄さんぶりとか
抱腹絶倒のシーンが多く、かなり楽しめました。

また、「戯言シリーズ」よりも5年前の設定なので、
人気キャラクターの若い頃の活躍が読めるのも魅力です。

特に中学時代の零崎人識と「チーム」時代の玖渚は「戯言」本編とは
一味違う一面を見せてくれておりファンなら必読の内容です。

ただ、バトルを重視しすぎているせいか、ストーリー自体は若干
薄めな印象
を受けました。

アクションシーン自体は面白いんですが、釘バット対ライフルも
竹取山決戦の4試合も高層ビルからの大脱出も全て小説というよりは、
映像で見た方が面白そうかもと思ってしまいましたね。
西尾作品の中でも特にアニメ化向きな一作かと。

また、零崎双識と萩原子荻のやり取りなど、爆笑モノの場面もあるものの、
西尾氏ならではの文章センスで魅せる場面も本書ではやや少なめに感じました。

そのため、前述の『零崎双識の人間試験』や昨日紹介した
『化物語(上)』よりはちょっと物足りないと言うのが率直な感想

とは言っても、登場キャラクターはやはり魅力溢れる連中ばかり。
決して、質は低いわけではなく、つまらない作品でもありません。

作中の人物の言葉を借りるなら、本書は決して「悪くない」

良い意味にも悪い意味にも取れる言葉ですが、
やや良いニュアンス強めの「悪くない」が私の本書に対する評価です。

ところで、本書にはおまけで嘘トレーディングカードが付いていますが、
このトレカの出来が中々のもの。かなり良い仕事してます。
本当に商品化されたら買ってしまうかも。w
哀川潤のパラメーターがゲームバランス崩壊級の最強っぷりなのも、
かなり笑えました。

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2006年11月11日 (土)

「蕩れ~」は流行るのか? 『化物語(上)』

西尾維新氏の新作『化物語(上)』を読みました。

化物語(上) 化物語(上)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

本作は3話構成の連作短編集となっており、
語り手の阿良々木暦とヒロインの戦場ヶ原ひたぎが毎回
化物(神様や悪魔)に関する奇怪な事件に巻き込まれるものの、
廃ビルで生活する奇妙なおじさん忍野メメの助言を受けて
事件を解決するというのが各話の基本パターンです。

要は「化物退治モノ」というライト系のホラーでは王道と言える
サブジャンルに属する小説。
しかも、本作は主人公とヒロインの出会いから話が始まる
西尾作品では非常に珍しいパターン。

いわば、本作は西尾氏が正面切って「ボーイ・ミーツ・ガール
(月並み・ありふれた話)」に挑んだ作品
と言えるかと。

ただ、そこは『戯言シリーズ』などで強烈な個性を発揮し
ノベル界に衝撃を与えてきた西尾維新作品!

西尾作品の魅力と言えば、言葉遊びを駆使したユニークな文章表現、
漫画やアニメのパロディーネタの多用によるマニアックな小ネタ、
個性的と言う表現の枠では収まりきらない程ぶっ飛んだキャラクター。

本作でも、これら西尾氏ならではのテイストが全開!

プロット自体は王道ベタ設定ながら、西尾氏ならではの
魅力でグイグイ読者を引っ張り楽しませる作りとなっており、
西尾氏ファンなら文句無く楽しめる作品に仕上がっています。

特に凶悪な暴言と暴力が魅力の最狂ツンデレヒロインの
戦場ヶ原ひたぎは全西尾作品の中でも1、2を争う
強烈な個性とインパクトを誇る
キャラクター。

「萌え~」を超える「蕩れ~」なヒロインとして
彼女のキャラづけは見事に成功していると思います。

キャラクター同士の掛け合いや主人公の独白がとても面白く、
450ページ近い分量を一気に読ませる点もかなり良いですね。
まあ、もっとも、本筋に関係の無いギャグや小ネタをカットすれば
半分程の分量になりそうな気もしますが……w

あと、本作の主人公阿良々木暦が「戯言シリーズ」や「りすかシリーズ」の
主人公と比べると、割と常識的というか人間らしい感性の持ち主。
なので、他の西尾作品よりも主人公に感情移入して読みやすいかと
思われます。

ところで、本作は講談社の新レーベル、「講談社BOX」の第一弾として
配本された中の一作なのですが、箱入りでパッと見は綺麗ですけど、
正直言って中身の本自体はなんだか大学入試の過去問題集のよう。
これで1600円(税別)はちょっと高いように思いました。
脱字が多かったのもなんだかなあ……。

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2006年11月10日 (金)

愚かさは罪 『赤い指』

読んだのはかなり前になるのですが、今日は東野圭吾氏の小説
『赤い指』の感想を書こうと思います。

赤い指 赤い指

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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本書は加賀恭一郎シリーズの最新作であり、息子の犯罪を
隠蔽しようとする夫婦に加賀刑事が挑むという物語です。

少年犯罪や老人介護の問題を取り扱っており、
親子二世代で暮らす一般的な家庭で起こった悲劇を通して
子が罪を犯した時に親はどうあるべきか、
現代社会における親と子の在り方とは何かを、
深く考えさせられる小説
となっていました。

東野圭吾氏は犯罪に直面した人間の心情を描くのが巧みで、
いつもその心理描写の生々しさに感心しさせられるのですが、
本作では残酷かつ卑劣な犯罪を犯した子供を育んだ
両親の愚かさに圧倒
されます。

バカ親の愚かさ・醜さ加減をとことん執拗に描写され
ページを繰るごとに激しい不快感と怒りが湧き上がってくるため、
私は激しい感情に引っ張られ、本書を一気に読み終えてしまいました

正直言って、オチの付け方は強引な点が見られるというか、
ある重要な人物の行動がミステリーのためのミステリー的な
不自然さを感じさせる行動になってしまっている感はあります。

ただ、それでも本書の問題提起の鋭さや、家庭を崩壊させる
人間の心に巣くう病理が克明に描き出す東野氏の筆力には
深い感銘を受けました。

ミステリーとしての質はあまり高くないと思いますが、
社会の病理に切り込んだ小説としては充分に読ませる作品
あったと思います。

あと、私としては事件自体は悲惨極まりないものの、
加賀刑事のプライベートのエピソードで締めくくられる
エピローグは後味の良いものとなっており、
読後感は悪くなかった点も本書の良い点だと感じました。

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↓オススメの加賀恭一郎シリーズ

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2006年10月10日 (火)

美しく繊細に構築された物語 『コッペリア』

加納朋子氏は北村薫氏に代表される『日常の謎』系の
ミステリー作家であり、『ななつのこ』『てるてるあした』など、
心温まる連作短編小説の名手として知られる小説家です。

その加納氏初の長編小説として発表されたのが本作『コッペリア』

コッペリア コッペリア

著者:加納 朋子
販売元:講談社
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エキセントリックな天才人形師を中心にして、人形に恋する青年と
人形にそっくりの舞台女優が織り成す恋愛ミステリー小説です。

(※以下、『コッペリア』のネタバレともとれる記述があります。
  未読の方はご注意ください。)

1章から2章にかけては昏く妖しい雰囲気が漂う
一見、加納作品としては異色の作風

人間の醜さや愚かさと言った部分も正面きって描いています。

ところが、第3章で大きく物語が反転

根底に流れているのはやはり「人間への温かい眼差し」であることがわかる
第3章は圧巻でした。

この、闇から光へとトーンが移り変わるどんでん返しの描き方が非常に鮮やか

正直、トリック自体は夫である貫井徳郎氏の作品によくあるネタなので、
かなり序盤から見当がついていたものの、トリックが作品全体にもたらす
効果については完全に予想外でした。

夫の作品ではこのトリックによって宿命的に連鎖する罪が象徴的に
描かれているのに対し、妻は人の救いの象徴としてこのトリックを
用いているようにように読み取れました。

同じトリックを使うことで、夫に妻なりの人間観を提示してるようにも見え、
ミステリー小説家夫婦ならではの対話が作品を通して繰り広げられているかの
ようにさえ思えます。

まあ、これはかなりの深読みというか、牽強付会もいいところな見方ですが。w

もちろん、本作は他の加納作品や貫井作品と絡めて解釈せず、
単独で読んでも、ミステリーとしても恋愛小説としても秀逸な作りの
楽しめる小説であることに変わりありません。

緻密かつ大胆な構成が光るとても質の高い作品でした。

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2006年10月 3日 (火)

私の中のよからぬものが…… 『邪魅の雫』

京極夏彦の人気シリーズ久々の最新作『邪魅の雫』を読み終わりました。

邪魅の雫 邪魅の雫

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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本作も見た目も内容もどちらの意味でも厚みのある内容で
期待通り面白く、800頁以上の大長編ながら一気読みしてしまいました。

ストーリーをおおまかに解説すると以下のような感じになります。

江戸川、大磯、平塚と続発する不可解な毒殺事件が続発。
凶器は青酸カリのようだが、「凶器の線ではたどるな」という
上層部の圧力や公安の暗躍もあり……。
一方、榎木津の縁談が次々に破談になるという事件も発生。
しかも縁談相手は殺害されたり、行方不明になっているようで……。

毒殺事件を青木や『鉄鼠の檻』に登場の山下警部補が、
榎木津の事件を彼の下僕、益田と関口が追っていく。

事件が混迷する中、益田は軽薄を装った仮面の裏に隠した苦悩を滲ませ、
青木は警官としての意地を見せ、筋を通す。

というわけで、今回は益田と青木が大活躍

はっきり言って今回この二人はかなりカッコよかったです。
特に、青木は公安の郷嶋相手に一歩も引かない態度で応じたりと
彼の株が急上昇する場面が多いこと、多いこと。
確実にファンが増えそうです。

山下警部補も『鉄鼠』の時とは人が変り、かなりいい味が出ていたので、
私的に株が上昇。

今回は警察関係の再登場キャラクターが非常に多く、
警視庁と所轄の軋轢など警察小説のような場面もあったため、
警察が一番活き活きと描かれていたように思えました。

とは言っても、最後に美味しいところを持っていくのは、
やはり京極堂と榎木津
ですが。w
榎木津なんかシリーズ中一番出番が少ない事件であるにも関わらず、
もっとも重要なキーパーソンというかなり特殊な立場。
最後は本作を「恋愛小説」(間接的ネタバレゆえ、読了済みの方のみ反転)
として着地させる離れ技まで演じてしまっています。

いつもとは多少毛色が違う感じですが、これはこれで面白かったです。

ただし、京極堂のうんちくは今回かなり控え目な上、
話題も「文芸評論」論など、笠井潔や大塚英志な分野の話が中心。

妖怪や宗教関連のうんちくはほとんどなく、
テーマ妖怪である「邪魅」の解説もありません
でした。
この方面の話を楽しみにしていた人は物足りなく感じそうですね。

ところで、憑物落としの場面で、なぜか私の脳内では

ジョジョビジョバージョビジョバー

と某CM曲が流れてました。

よからぬものが流れ落とされていく。
そんなイメージ、なんですかね。w

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↓益田、山下初登場 『鉄鼠の檻』

文庫版 鉄鼠の檻 文庫版 鉄鼠の檻

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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2006年9月27日 (水)

名作と言われるだけのことはある 『ゲド戦記Ⅰ 影との戦い』

『ゲド戦記Ⅰ 影との戦い』を読了しました。

ゲド戦記 1 影との戦い ゲド戦記 1 影との戦い

著者:アーシュラ・K. ル・グウィン
販売元:岩波書店
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小学生の頃、一度手にしたことはあったものの、
その時は最後まで読み通すことなく放置してしまった
記憶のある本です。

小学生の頃、本好きを自称していたクセに、
これ程の名作を投げ出すとは情けないぞ! 過去の私。w

リベンジした理由は、まあ、先月、宮崎吾郎氏の映画を見たから……。
ベタな理由でスマン。

映画版を見てからしばらく後、これで『ゲド戦記』を
わかった気になってはいけない、
よし、本物の『ゲド戦記』に触れなければ!
という義務感にかられて、1巻を衝動的に購入した次第。

で、原作1巻を読み終わった感想ですが、やっぱり
映画とはテーマの深みも、格調の高さも、圧倒的に格が違う!

ゲドの成長を通して大人になることや、自分を知ることの意義、
世界との関わり方といったテーマが深く掘り下げられている点に感嘆しました。

少年が己と向き合って大人に成長する過程を描く装置として、
「影」という装置の使い方一つとっても、映画は小説の
上辺をなぞったにすぎなかったことがわかりました。

小学生の頃のの自分の読解力の無さを恥じるばかり……。
まあ、淡々とした展開が受け入れらなかったんだろうけど。

ところで、小説にヒスイというゲドのライバルが登場しますが、
私は最初、彼がその後、映画にも出てきた敵役クモになると勘違い。
調べてみたら見たらヒスイとクモは無関係らしい。
ヒスイとの因縁でもっとひっぱるものと思っていたのに、
あっさりしてるなー。

1巻がとても素晴らしかったので、2巻以降も近々読もうと思っています。
もっとも、次は京極夏彦氏の最新作『邪魅の雫』を読む予定なので、
かなりの間が空いてしまいそうですが。

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2006年8月24日 (木)

子供向けでも容赦なし! 「びっくり館の殺人」

「びっくり館の殺人」を読了しました。

綾辻行人氏の代表作「館」シリーズの第8作です。

びっくり館の殺人 びっくり館の殺人

著者:綾辻 行人
販売元:講談社
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本作は「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」が
謳い文句の「ミステリーランド」からの発刊であるため、
体裁は子供向けに書かれています。

とは言っても、いつもの妖しい雰囲気は変わらず。

不気味ないわれのあるお屋敷。その洋館に住む謎めいた少年。
亡くなった少女を模して作られた人形……。
など、著者お得意の要素が効果的に使われており、
独特の不気味な雰囲気が巧みに演出
されています。

七戸優氏の挿絵効果も加わって、子供にトラウマ与えそうな
おどろおどろしさがかなりいい感じ
でした。w

もっとも、作品のテーマやオチのつけ方は、ホラー色強めの
「囁き」シリーズに近く、「館」シリーズの中では異色かと。

「館」シリーズの中では同じく異色作の第4作「人形館の殺人」が
一番近い感じかと思います。
住宅地に建つお屋敷が舞台である点や、人形が重要な
小道具である点が共通していますしね。

ゴシックホラーとして非常に楽しめる内容になっていました。

↓「囁き」シリーズ

緋色の囁き 暗闇の囁き 黄昏の囁き

↓「人形館の殺人」

人形館の殺人

まあ、本格ミステリーとして読むと、トリックの肩透かし感は
否めなかった
のですが……。

子供向けだからトリックをシンプルにしたのか……、
最近はトリックのアイデアが枯渇気味なのか……。

前者の理由であってほしいとは思うのですが、
前作「暗黒館の殺人」や佐々木倫子とのコラボ「月館の殺人」も
正直言ってトリックはイマイチでしたし……。

「幻想小説」としての氏の作品も好きですが、
氏の作品でミステリーの深みにはまった私としては
「殺人方程式」のような、とことん理論にこだわった
ミステリーらしいミステリーもまた書いてほしいんですけねえ

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2006年8月18日 (金)

名探偵v.s.名犯人 「容疑者Xの献身」

今さらながら第134回直木賞受賞作品、
東野圭吾の「容疑者Xの献身」を読みました。

容疑者Xの献身 容疑者Xの献身

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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本作の主人公は数学者として天才的な頭脳を持つものの、
今は高校の数学教師に甘んじている冴えない男性石神。

彼が密かな恋心を抱く隣人女性、花岡靖子とその娘の犯罪を知った
彼は、母娘をかばうために完全な犯罪計画を構築する。

完璧な隠蔽工作であったが、石神と同窓であり
殺人事件の解決に貢献したこともある物理学者、湯川が現れ……、

というストーリー。

 

類まれなる頭脳を持つ者同士の緊迫感溢れる攻防の面白さ
引っ張られ、最後まで一気に読み進めました。

また、靖子に言い寄る男性の出現による、
石神と靖子の心理面の揺れも読みどころ

ミステリー読者の盲点をつく大胆なトリックと、
石神の心情が明らかになる真相も圧巻

東野圭吾氏の作品を読むのは久々でしたが、
やはり上手い作家だなあと感心することしきりでした。

ただ、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、
純愛という一言で感動要素のみ強調する帯の文は
倫理的な面で若干気になってしまいました

やはり犯人のやったことは許しがたい行為なわけで、
帯の文のように綺麗ごとな表現でまとめられてもなあ、と。

まあ、出版社の売り方に対する不満であり、
本編自体はその辺をわきまえている感じはあったのですが。

あと、確かにとても面白く上質な作品ではあるものの、
本作が過去に直木賞候補になった東野作品よりも
優れているかというと、ちょっとそうは思えなかったり。

東野さんの受賞はとてもめでたく嬉しいことなのですが、
なぜ「秘密」や「白夜行」の時点で受賞できなかったのかという
疑問は感じてしまいましたね。

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