二冊で終わらせるには惜しすぎる 『化物語(下)』
西尾維新氏の『化物語(下)』を読みました。
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化物語(下) 著者:西尾 維新 |
上巻は言葉遊びや比喩を駆使したユニークな文章表現、
マニアックな漫画やアニメのパロディーネタの多用による小ネタ、
ぶっ飛んだキャラクターの魅力が炸裂した西尾維新らしい面白さに
溢れた連作短編集でしたが、下巻でもその魅力はいっさい衰えず。
今回も本筋以上に主人公と個性豊かなヒロイン陣との
やり取りに爆笑させていただきました。
特に下巻は神原駿河の魅力というか暴走ぶりが強烈。
本来のメインヒロインである戦場ヶ原ひたぎや
裏ヒロイン羽川翼、新キャラ千石撫子を完全に食う活躍。
彼女とのマニアネタ・下ネタ全開の際限のない漫才には
終始笑いっぱなし。
本筋がいっさい進まなくとも、別にいいかと思わせるほど
バカ会話が読んでいて楽しいですね。
まあ、漫才やキャラ萌え要素は本筋には直接関係ないので、
純粋に本筋を楽しみたい人にとっては余計な要素と
とられかねない危険性もあるわけですが・・・・・・。
それにしても『ビックリマン』に『きんぎょ注意報』と
どれだけネタの幅を広げるつもりなのでしょうか、
西尾維新は?
私は世代なんで、かなり笑ってしまうのですが、
今、高校生とか中学生の読者はついていけるのか
ちょっと不安です^^
もちろん、ギャグだけでなく、主人公である暦が
ひたぎの恋の進展や、化物がらみの事件の解決を通して
自立し成長していく姿も丁寧に描かれています。
暦とひたぎの初デートのシーンなど、ギャグからシリアスへの
切り替えが鮮やかな名場面も多くて読み応えがありました。
ラストの落ちも爽やかで後味良く、青春小説としてもかなり
楽しめる小説でした。
正直、二冊で終わらせるには惜しいですね。
と思っていたら、前日譚である暦と忍の話が執筆予定とのこと。
正直、このエピソードも下巻の中に収めてほしかったとは思いますが
書かれないよりは遥かに良いわけで、かなり楽しみではありますね。
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