「蕩れ~」は流行るのか? 『化物語(上)』
西尾維新氏の新作『化物語(上)』を読みました。
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化物語(上) 著者:西尾 維新 |
本作は3話構成の連作短編集となっており、
語り手の阿良々木暦とヒロインの戦場ヶ原ひたぎが毎回
化物(神様や悪魔)に関する奇怪な事件に巻き込まれるものの、
廃ビルで生活する奇妙なおじさん忍野メメの助言を受けて
事件を解決するというのが各話の基本パターンです。
要は「化物退治モノ」というライト系のホラーでは王道と言える
サブジャンルに属する小説。
しかも、本作は主人公とヒロインの出会いから話が始まる
西尾作品では非常に珍しいパターン。
いわば、本作は西尾氏が正面切って「ボーイ・ミーツ・ガール
(月並み・ありふれた話)」に挑んだ作品と言えるかと。
ただ、そこは『戯言シリーズ』などで強烈な個性を発揮し
ノベル界に衝撃を与えてきた西尾維新作品!
西尾作品の魅力と言えば、言葉遊びを駆使したユニークな文章表現、
漫画やアニメのパロディーネタの多用によるマニアックな小ネタ、
個性的と言う表現の枠では収まりきらない程ぶっ飛んだキャラクター。
本作でも、これら西尾氏ならではのテイストが全開!
プロット自体は王道ベタ設定ながら、西尾氏ならではの
魅力でグイグイ読者を引っ張り楽しませる作りとなっており、
西尾氏ファンなら文句無く楽しめる作品に仕上がっています。
特に凶悪な暴言と暴力が魅力の最狂ツンデレヒロインの
戦場ヶ原ひたぎは全西尾作品の中でも1、2を争う
強烈な個性とインパクトを誇るキャラクター。
「萌え~」を超える「蕩れ~」なヒロインとして
彼女のキャラづけは見事に成功していると思います。
キャラクター同士の掛け合いや主人公の独白がとても面白く、
450ページ近い分量を一気に読ませる点もかなり良いですね。
まあ、もっとも、本筋に関係の無いギャグや小ネタをカットすれば
半分程の分量になりそうな気もしますが……w
あと、本作の主人公阿良々木暦が「戯言シリーズ」や「りすかシリーズ」の
主人公と比べると、割と常識的というか人間らしい感性の持ち主。
なので、他の西尾作品よりも主人公に感情移入して読みやすいかと
思われます。
ところで、本作は講談社の新レーベル、「講談社BOX」の第一弾として
配本された中の一作なのですが、箱入りでパッと見は綺麗ですけど、
正直言って中身の本自体はなんだか大学入試の過去問題集のよう。
これで1600円(税別)はちょっと高いように思いました。
脱字が多かったのもなんだかなあ……。
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