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2006年8月18日 (金)

名探偵v.s.名犯人 「容疑者Xの献身」

今さらながら第134回直木賞受賞作品、
東野圭吾の「容疑者Xの献身」を読みました。

容疑者Xの献身 容疑者Xの献身

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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本作の主人公は数学者として天才的な頭脳を持つものの、
今は高校の数学教師に甘んじている冴えない男性石神。

彼が密かな恋心を抱く隣人女性、花岡靖子とその娘の犯罪を知った
彼は、母娘をかばうために完全な犯罪計画を構築する。

完璧な隠蔽工作であったが、石神と同窓であり
殺人事件の解決に貢献したこともある物理学者、湯川が現れ……、

というストーリー。

 

類まれなる頭脳を持つ者同士の緊迫感溢れる攻防の面白さ
引っ張られ、最後まで一気に読み進めました。

また、靖子に言い寄る男性の出現による、
石神と靖子の心理面の揺れも読みどころ

ミステリー読者の盲点をつく大胆なトリックと、
石神の心情が明らかになる真相も圧巻

東野圭吾氏の作品を読むのは久々でしたが、
やはり上手い作家だなあと感心することしきりでした。

ただ、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、
純愛という一言で感動要素のみ強調する帯の文は
倫理的な面で若干気になってしまいました

やはり犯人のやったことは許しがたい行為なわけで、
帯の文のように綺麗ごとな表現でまとめられてもなあ、と。

まあ、出版社の売り方に対する不満であり、
本編自体はその辺をわきまえている感じはあったのですが。

あと、確かにとても面白く上質な作品ではあるものの、
本作が過去に直木賞候補になった東野作品よりも
優れているかというと、ちょっとそうは思えなかったり。

東野さんの受賞はとてもめでたく嬉しいことなのですが、
なぜ「秘密」や「白夜行」の時点で受賞できなかったのかという
疑問は感じてしまいましたね。

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表紙がいい。 黒地に深紅のバラ一輪。 シンプルで美しく、どこか哀しげな感じ。この小説の世界をうまく表現していると思う。 本の帯に「命がけの純愛が生んだ犯罪」とあるが、「純愛」なんて手あかがついた言葉を安... [続きを読む]

受信: 2006年8月20日 (日) 13時46分

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