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2006年8月20日 (日)

英雄の孤独 「力道山」

昭和を代表するプロレスラー、力道山の人生を描いた韓国映画
「力道山」を見ました。

力道山 デラックス・コレクターズ・エディション 力道山 デラックス・コレクターズ・エディション

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/08/04
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戦後の日本国民に勇気を与えた昭和の英雄、
力道山の人間として弱い部分に焦点を当てたドラマとなっており、
非常に見応えのある作品でした。

映画の力道山は現状を打破するために、過酷な状況を
耐え抜ける強靭な意志を持つ反面、自分がいかに多くの人に
支えられているかに気づけない鈍さを持ち合わせた
人間であるように私には見えました。

まれながらも、人間不信に陥っていく
の姿は非常に痛ましい……。

また、日本人の英雄になった後、朝鮮人という出自を隠す姿や、
朝鮮にいても朝鮮戦争で銃弾を防ぐ盾にされるだけだったと
述懐する所などから、日本人にも朝鮮人にもなれない
国を失った人間の悲しみも感じられます

自らを「世界人」と称し欧米文化に傾倒する姿に、
自分の国を作ろうとする野心を持った人間の強さと弱さ、
矛盾した要素を同時に併せ持つ人間の奥深さが現れています。

 

朝鮮人として生まれ、日本で英雄となった力道山の苦悩を
見事に表現したソル・ギョングの演技には圧倒されました

最初日本語のセリフはたどたどしいものの、
表情の演技で充分にカバーしているところが素晴らしいです。

力道山を支える三人の人物、力道山の妻を演じる中谷美紀と
後援会長役の藤竜也、マネージャー役の萩原聖人も好演。

俳優陣の存在感溢れる演技がドラマに深みを与えていました。

また、八百長問題やヤクザ関連の興行主などといった
プロレスのダークな面を直接的には描かないものの、
それとなく匂わせるバランス感覚の良さも本作に深みを与える
要素の一つになっていたと思います。

あと、余談ですが本作には武藤敬司や故橋本真也など
プロレス界の重鎮が多数出演しています。
特に故橋本真也の勇姿はプロレスファンなら見逃せないでしょう。

本物のプロレスラーが演じるアクションは迫力があって良いですね。

まあ、武藤のキレのある動きとかは、当時のプロレスにしては
洗練されすぎているようにも感じてしまうのですが……。

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コメント

TBありがとう。
力道山の出生地は、韓国より、北朝鮮のほうですからね。友人が、北朝鮮に「帰国」するシーンがありましたが、朝鮮戦争などのときは、とても複雑だったでしょうね。

投稿: kimion20002000 | 2006年10月 4日 (水) 01時43分

kimion20002000さん、
こちらこそありがとうございました。

朝鮮戦争時の友人とのやりとりは
彼の微妙な立場がよく出ている場面でしたね。
祖国をなくした男の哀しさを感じました。

投稿: トミー | 2006年10月 5日 (木) 19時41分

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日本人でも朝鮮人でもない。 「力道山」は世界人であることを望んだのだ。 僕が生まれたのは、1953年である。その年、アメリカ帰りの力道山を中心として、日本プロレス協会が立ち上がった。翌54年、有名な「力道山・木村VSシャープ兄弟」の一戦が、テレビ中継された。新橋などの街頭テレビに群がる人々。記録映像で何度も見ているが、実際、僕が、テレビ観戦で力道山を見たのは、たぶん5歳か、6歳の頃である。 ルー・... [続きを読む]

受信: 2006年9月24日 (日) 23時15分

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